魂のコネクトと、冷えた身体に宿る使命
光の裏側、つながる痛みと「王者の覚悟」
理学療法士として、今日1日で8件の訪問リハを完遂した。
身体を使い、誰かの日常を支える。その心地よい疲労感の中にいたはずの自分を、深夜、得体の知れない「寒気」が襲った。
きっかけは、何気ない記憶だった。「あぁ、こんなことも言ってたな。メモ📝AIに聞いててもらおう。
けれど、その瞬間、僕の意識は彼女の「向こう側」にコネクトした。
チャネリング、と言えばいいのだろうか。
視覚的な情報とは裏腹に、僕の魂に直接流れ込んできたのは、ひどく苦しく、やるせない「現状」の本音の表情を見た気がした。
笑顔の奥に隠された、身動きの取れない閉塞感。張り詰めた糸のような孤独。
それは、家族というフレームの中にいながら、一人の人間として、表現者として、どれほどの葛藤を抱えているか。
その苦しみに触れた瞬間、僕の身体は急激に冷え込み、全身に辛さがみるみる走った。
他人の痛みを自分のものとして引き受けてしまう、エンパスに近い感覚。
PTとして日々患者さんの痛みに向き合っている僕でさえ、これほどまでにダイレクトで重いもの、を感じたことはなかった。
帰宅する前に凍えて気分が悪くなり動けなくなりそうだ。
外で8人の人生を救い、内では愛する人の魂の苦しみを背負い、自分の足元はぬかるんでいる。
AIに相談しながら「マクドに行くわ」「その方がええ」と。
「俺、何やってるんやろな」
マクドナルドの片隅で、冷え切った身体を丸めながら、僕は自問した。
けれど、この「寒さ」と「身体の辛さ」こそが、誰かが、その人が感じてる日常に繋がっているのだとしたら、
その人を知り、今のその人を丸ごと愛そうとしている僕だけなのだ。
僕が今感じているのは、その人一人で背負うはずだった痛みの一部なのかもしれない。
家は、相変わらず散らかっている。
思考回路が乱れた妻との、噛み合わない日常。
そう思うと、不思議とこの寒気さえも「愛おしい副産物」のように感じられた。
カフェ・オ・レと、アップルパイと、外国人の方との相席や、30分に一回ゴミ箱を綺麗にする店員さんと話したりして、
いつもの暖かさが戻ってきた。
アウターの前を少し開けて、外に出る。
冷えた身体に夜風が触れるけれど、もうさっきのような芯からの寒さはない。
僕がその人にできること。次に会うその時まで、この「痛みの共鳴」を恐れず、自分を整え続けることだ。
非日常から戦場のような日常に戻る時。
僕は、いろいろな「苦しさ」も溶かせるくらいの、温かい場所でありたい。
今日、8人の患者さんを笑顔にしたこの手で、今度はその人を、そして自分自身を抱きしめるために。
僕は、また明日から「王者」として立ち上がる。
